競艇は1号艇が勝つ。全国のレースをぜんぶ数えると、約55%は1号艇がそのまま1着になる。6艇しか走らない公営競技で、特定の枠が半分以上勝つ。ここまで偏った競技はほかにない。
なら、何も考えずに1号艇を買い続けたらどうなるのか。予想も展開読みもいらない、誰にでも今日から真似できる買い方だ。当サイトが集計している2023年1月1日から2026年7月18日までの全192,639レースで数えてみた。
検証のルール
先に断っておくと、公式の結果データには単勝の配当が含まれていないため、検証したのは次の3通り。いずれも1点100円で、開催された全レースを機械的に買い続けたと仮定する。払戻が記録されていないレース(不成立など、全体の0.005%)は集計から除いた。
| 買い方 | 点数 | 1レースの投資額 |
|---|---|---|
| 2連単 1-全 | 5点 | 500円 |
| 2連複 1=全 | 5点 | 500円 |
| 3連単 1-全-全 | 20点 | 2,000円 |
結果。当たるのに、減る
| 買い方 | 的中率 | 回収率 | 的中時の平均払戻 |
|---|---|---|---|
| 2連単 1-全 | 54.6% | 76.2% | 698円 |
| 2連複 1=全 | 72.0% | 76.7% | 532円 |
| 3連単 1-全-全 | 54.6% | 70.6% | 2,586円 |
2連複は7割当たる。10レース買えば7回的中する計算で、体感としてはかなり「勝てている」気分になれるはずだ。それで回収率は76.7%。100万円分買うと、77万円弱になって返ってくる。当たっているのに、確実に減っていく。
理由は的中時の平均払戻を見れば単純で、2連単1-全は1回当たっても平均698円しか戻らない。毎レース500円張っているのだから、54.6%の的中率ではまるで追いつかない。
まぐれや時期の問題でもない。年ごとに切っても数字はほとんど動かなかった。
| 年 | レース数 | 的中率 | 回収率 |
|---|---|---|---|
| 2023 | 55,365 | 54.5% | 76.6% |
| 2024 | 55,337 | 54.6% | 76.4% |
| 2025 | 55,134 | 54.4% | 75.9% |
| 2026(7月まで) | 26,794 | 55.1% | 75.7% |
4年間、誤差1ポイント未満。運ではなく、構造がこうなっている。
場別で見ると、話が面白くなる
ここからが今回いちばん意外だった結果だ。2連単1-全の5点買いを場ごとに集計すると、こうなる。
| 順位 | 場 | 的中率 | 回収率 |
|---|---|---|---|
| 1 | 江戸川 | 47.1% | 82.5% |
| 2 | 尼崎 | 58.5% | 81.2% |
| 3 | 多摩川 | 53.1% | 79.4% |
| 4 | 児島 | 55.8% | 79.3% |
| 5 | 常滑 | 57.1% | 78.7% |
| 6 | 徳山 | 63.0% | 78.5% |
| 7 | 若松 | 57.2% | 78.4% |
| 8 | 平和島 | 45.0% | 77.5% |
| 9 | 下関 | 59.4% | 77.0% |
| 10 | 丸亀 | 56.4% | 77.0% |
| 11 | 津 | 56.7% | 76.1% |
| 12 | 唐津 | 54.1% | 75.9% |
| 13 | 住之江 | 58.3% | 75.7% |
| 14 | 戸田 | 43.1% | 75.5% |
| 15 | 蒲郡 | 55.7% | 75.5% |
| 16 | 芦屋 | 59.1% | 75.4% |
| 17 | 大村 | 61.6% | 75.1% |
| 18 | 浜名湖 | 51.2% | 74.6% |
| 19 | 宮島 | 55.8% | 74.3% |
| 20 | 三国 | 52.4% | 74.0% |
| 21 | 桐生 | 50.2% | 73.7% |
| 22 | びわこ | 53.9% | 72.6% |
| 23 | 福岡 | 56.4% | 72.0% |
| 24 | 鳴門 | 47.2% | 70.2% |
回収率トップは江戸川。全国で最もインが弱い部類の場で、的中率は47.1%しかないのに、回収率では82.5%で全国1位になった。逆に「イン天国」で知られる大村は、的中率61.6%と堂々の高さなのに、回収率は75.1%で17位。イン逃げ率トップの徳山でさえ78.5%止まりだ。
的中率の順位と回収率の順位を見比べてほしい。ほとんど関係がない。
「みんなが知っていること」はオッズに入っている
種明かしはたぶんこうだ。大村や徳山のインが強いことは、舟券を買う全員が知っている。だからみんなが1号艇を買い、オッズが下がり、当たっても戻りが小さくなる。江戸川のインが不安なことも全員が知っている。だから1号艇のオッズには色が付き、たまに当たると意外と戻る。
つまり「当たりやすさ」の差は、オッズがほぼ正確に吸収してしまっている。あとに残るのは、舟券の売上から最初に差し引かれる控除率25%だけ。どの買い方でも、どの年で切っても、回収率が75%前後に吸い寄せられていくのは偶然ではない。
正直な結論
この検証から「こうすれば勝てる」は出てこない。出てきたのはむしろ逆で、単純な買い方はどれを選んでも同じくらい負ける、という事実だけだ。
ただし、負け方には場によって12ポイントの差があった。同じ「イン頼み」でも、鳴門で続ければ70.2%、江戸川なら82.5%。舟券が娯楽である以上お金は減っていくものだが、減り方の差くらいは知っておいて損はないと思う。
次回は逆の方向、「人気薄を買い続けたら」を同じデータで数えてみる予定です。
※ 集計期間: 2023-01-01〜2026-07-18、対象192,639レース。BOAT RACE公式サイト提供のダウンロードデータを独自集計。このページの数値は毎月、最新の全レースを含めて自動で再集計されます。 ※ 本記事は過去データの集計であり、将来の的中や利益を保証するものではありません。舟券の購入は20歳以上、余裕資金の範囲で。
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